大学の頃、どうしても一人暮らしがしたかった。
何度も両親に相談したが、厳格で古い考え方をする人達だったので、決して許してくれなかった。
仕方なく自宅から2時間かけて通学していたが、時間的にも体力的にも限界だった。
金銭的に自立することができれば、頑なな両親の考えも変わるかもしれないと思い、私は大学の近辺でバイト探しをはじめた。
今のように、誰もが簡単にネットでバイトを探せる時代ではなかったので、地元の求人雑誌を見たり、店頭の張り紙などを探して歩いた。
大学の近くには長い商店街があり、そこにはたくさんの店が立ち並んでいる。
だいたい100店舗くらいはあるだろうか。
授業が休講になったある日、私は一日中かけて仕事を探した。
働いてみたい店があれば、求人募集をしていなくても頼んでみた。今考えると、ものすごい根気の持ち主であり、勇気のある行動だ。
若いからできたことだと、我ながら感心してしまう。
当然、突然そんなことをいっても雇ってもらえるわけがなく、私のバイト探しは失敗に終わった。
結局、通学が負担になって大学を中退した。その後も地元で就職をすることになり、夢のひとり暮らしは叶うことがなかった。
私が親なら、子供がそこまで限界を感じていて、自立のためにひとりで職探しをしていると知れば、協力していたと思う。
あのとき、両親が私の行動を理解してくれていればと思うと哀しくなる。
だが、たったひとりで必死に自立への道を探して歩いた自分を、いつまでも褒めてやりたいと思う。